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 山根紀昭の  by 山口タイムス
   << 相談内容 >>
Q 正式な裁判手続を悪用した架空請求の対応について教えて下さい。
Q 「消費料金未納分訴訟最終通知書」という葉書が届き連絡したほうがいいのか迷っています。
Q ボーナスが出なく困っている。 
Q 塾で、テキストのコピーを使いたい。 
Q 学校施設の使用条件が急に変わった。 
Q 近所の建設会社が廃材等を燃やし、洗濯物が汚れて困る。
Q 近所にごみ捨てのルールを守らない人がいる。 
Q 不景気なため、アルバイトに辞めてもらいたい。 
Q 非常用の共有部分のベランダがふさがれている。 
Q 自治会費に含まれる神社費を払わなければならないのか。 
2006. 3.30
Q 前回,架空請求について書かれていましたが,最近では,正式な裁判手続を悪用したものもあると聞きました。対処方法等について教えて下さい。(山口市・会社員36歳)


 
 お尋ねのように,「支払督促」や「少額訴訟」といった正式な手続を悪用した架空請求事案が発生しています。
 前回の相談にあった実在しない団体を仮装した請求は,無視するのが最良の方法ですが,裁判所で正式な手続が進められている場合には,放置しておくと強制執行を受けるなどの不利益を被るおそれがありますから,注意しなければなりません。
 まず,送られて来た文書が本物かどうかを見分ける必要がありますが,裁判所からの文書は,「特別送達」と表示された裁判所名入りの封書で郵送され,葉書や普通郵便で送られて来ることはありません。また,本物の支払督促や少額訴訟の呼出状には「事件番号」と「事件名」が必ず書かれています。
 正式な手続が悪用されている場合には,「督促異議の申立て」や「答弁書の提出」で対処できますが,民事訴訟手続に関する専門的な知識がないと難しいと思われますので,弁護士や消費生活センター等に相談されることをお勧めします。
2006. 2.31
Q 先日,「消費料金未納分訴訟最終通知書」という葉書が届きました。料金の未納について裁判や財産の差押えをする予定なので,取り下げて欲しければ,裁判取り下げ最終期日までに「法務局認定法人 民事訴訟通達センター」に連絡するようにと書いてありました。心当たりは全くないのですが,連絡した方がよいでしょうか。(山口市・主婦52歳)


 
 本件は,典型的な架空請求の事案です。
 そもそも「法務局認定法人 民事訴訟通達センター」などという団体は存在しません。また,民事訴訟は,原則として,判決が確定するまでは取り下げることができます(民事訴訟法261条1項)から,「裁判取り下げ最終期限」などというものもあり得ません。
 このような葉書は,名簿等で知った住所と名前を使って適当に発送されており,差出人も,その住所に宛名のとおりの人が住んでいるかどうか分かっていません。こちらから連絡すると,住所と宛名が正しかったことを教えてしまう結果になりますので,絶対に連絡をしてはいけません。
 心当たりのない請求は無視するのが最良の方法ですが,詐欺未遂(刑法246条1項,250条)は犯罪ですから,警察や消費生活センター等に相談されることをお勧めします。
2005..11.30
Q 地元のスーパーマーケットで正社員として働いていますが、先日、社長から「今年は業績が悪かったので年末のボーナスは払えない」と言われました。住宅ローンの支払いもあり、ボーナスが貰えないと困るのですが、法律的な問題はないのでしょうか?(山口市・会社員38歳)


 労働基準法第11条では、「賃金とは、賃金、給料,手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう」と定められています。ボーナス(賞与)も労働基準法上の賃金ですから、合理的な理由もないのに支払わないのであれば、労働基準法に違反する可能性があります。
 ただし、ボーナスの支払いは、法律による義務ではありませんので、支払うかどうかは経営者の判断、就業規則や賃金規程等で決まることになります。
 一般には、会社の業績や個人の営業成績等によって支払いの要否や金額を決める例が多く、「業績に関わらず必ず支払う」との約束がない限り、労働者からボーナスの支払いを請求することは難しいと思われます。
 なお、退職金についても同様に考えられますので、参考までに申し添えます。
2005.10.31
Q 学習塾を経営していますが、昨年の講習で使ったテキストが絶版になってしまったので、手持ちのものをコピーして生徒に配布しようと考えています。何か問題があるでしょうか?(山口市・自営業47歳)


 結論からいいますと、著作権の侵害になるおそれがあります。
 著作権とは、特許、実用新案等の知的財産権の一つで、著作権法という法律で保護されています。一般に著作権といいますと、小説や音楽、絵画等の芸術的、文化的な物だけを対象にしていると思われがちですが、単なる事実を伝達するにすぎないものを除き、テキストや予想問題集のような書籍も著作物に該当します。
 学校等の教育機関では、一定の条件を満たせば必要と認められる限度で公表された著作物を複製する事が許容されますが、営利を目的とする学習塾や予備校等では、このような特例は認められません。また、そのままを複写しなくても内容の一部を改変すれば著作者人格権侵害の問題が生じます。
 著作権や著作者人格権の侵害には罰則が定められており、被害者から告訴されれば、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金が科せられますので十分な注意が必要です。

2005.09.30
Q 資格取得を目指して専門学校に通っています。入校時に「自習室は365日24時間使用可能」と説明を受けたのですが、先日、何の説明もないまま「土日祭日は閉鎖、平日は午前10時から午後5時まで使用可」に変更されました。仕方のないことでしょうか?(山口市・専門学校生24歳)


 専門学校に入校するにあたり、生徒側には授業料の支払いや校則を守る義務(これを「債務」といいます)が発生する反面、学校に対しては、目的を達成できるレベルの授業の実施や情報提供等を求める権利(これを「債権」といいます)が発生します。このように、双方が義務を負う契約を「双務契約」といいます。
 お尋ねの学校施設の利用は生徒の権利ですから、校舎の損壊や天災地変など、やむをえない理由がない限り学校側は当初の説明通りに自習室を使用させる義務を負っており、その義務に違反すれば債務不履行となると思われます。
 特別な理由もなく、一方的に使用条件を変更する事は問題ですから、法律的には契約の解除や損害賠償の請求も可能です。学校側に理由の説明を求め、納得できる説明がなければ、消費生活センター等への相談をお勧めします。

2005.08.31
Q これもゴミの処理に関する問題だと思うのですが、近所の建設会社で毎日のように廃材や不用品を燃やすので、私方の洗濯物がすすで汚れたり、煙や匂いで気持ち悪くなることがあります。止めさせる方法はないでしょうか?(山口市・会社員53歳)


 いわゆる「野焼き」と呼ばれる問題ですが、これについても、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」といいます)に規定があります。
 廃棄物処理法第16条2は、特別な場合を除いて「何人も、廃棄物を焼却してはならない」と定めています。違反者に対しては、第25条第1項第10号により、5年以下の懲役または1千万円以下の罰金(場合によっては懲役と罰金の両方)を科し、また、未遂についても処罰する(同条第2項)としています。また、実際に野焼きをしたものだけでなく、その者が所属する法人(会社等)に対しても、1億円以下の罰金刑が科されることになっています(第32条第1号)。
 各保健所で「野焼き110番」等の窓口を設けて情報の提供を呼びかけているようですが、「野焼き」も廃棄物処理法に違反する犯罪ですから、保健所に相談してみても改善が見られない場合には、最寄りの警察署生活安全課に相談してみて下さい。

2005.07.31
Q 燃えるごみの集積所が近所にあるのですが、ペットボトルや瓶等の燃えないゴミを捨てたり、収集日を守らない人が多くて困っています。ルールを守らせる方法はないでしょうか。(小郡町・主婦44歳)


 たかがゴミを捨てるだけのことと軽く考えている人が多いため、ゴミ捨てのルールに関するトラブルが頻発しているようですが、廃棄物処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」といいます。)第16条は、「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」と定め、違反者には、第25条第1項第9号により、5年以下の懲役又は1千万円以下の罰金(場合によっては懲役と罰金の両方)という非常に重い罰則が科されることになっています。
 たとえゴミの集積所であっても、ルール違反のゴミの捨て方をすれば、不法投棄として廃棄物処理法に違反します。また、未遂でも処罰されますので(第25条第2項)、「たかがゴミをすてるだけ」などという軽妙な問題ではありません。
 廃棄物処理法違反は立派な犯罪ですから、単なるルール違反で済ませることができないほど悪質な事案であれば、最寄りの警察署生活安全課に相談されることをお勧めします。

2005.06.30
Q 半年ほど前から飲食店の経営をしていますが、当初の予想よりも売り上げが少ないので、二人雇っている学生アルバイトのうち一人を辞めさせようと考えています。どのような点に注意すればよいか教えてください。(山口市・自営31歳)


 労働者を解雇するにあたっては、少なくとも30日前に予告(これを「解雇予告」といいます)するか、30日分以上の平均賃金(これを「解雇予告手当て」といいます)を支払わなくてはならないと労働基準法20条1項で定められています。また、解雇予告と解雇予告手当てを併用する事もできますから、予告期間が15日しかなければ、不足する15日分以上の解雇予告手当てを支払えば問題ありません。
 この手続きは、雇用形態にかかわらず、全ての労働省について必要です。
 なお、平成16年の法改正で、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」(18条の2)とされていますので、解雇理由が客観的に合理的であるか、社会通念上相当であると認められるかについても検討が必要です。

2005.05.31
Q 昨年末に分譲マンションを購入して入居しました。火事などの非常時にはベランダを通って避難するように説明を受けたのですが、右隣のお宅のベランダは園芸用の温室でふさがれ、通れそうにありません。どうすればいいのでしょうか?(小郡町・自営35歳)


 分譲マンションでは、一つの建物の中に各室を購入して入居する人(「区分所有者」と言います)が所有する専有部分、区分所有者が排他的に使用できる専用使用部分、区分所有者全員が共有する共用部分が混在しています。
 ベランダは、このうち専用使用部分に当たり、通常はベランダが付属している部屋の区分所有者が自由に使用できますが、お尋ねのように非常時の避難通路として使用することが予定されていますので避難を妨げるような使い方はできません。ベランダは自分の物と誤解している方が多いのか、同じようなトラブルが頻発しています。
 温室を撤去してもらうように要求することは可能ですが、今後の付き合いに悪い影響が出る恐れもありますので、管理組合に相談して解決されるのがよろしいでしょう。
2005.04.30
Q 建売住宅を買って引っ越したのですが、自治会役員から地元の神社の氏子になることと自治会費に含めて神社費を払う事を求められています。応じなければならないでしょうか?(山口市・会社員35歳)


 日本国憲法は、第20条で信教の自由を保障し、2項では「何人も宗教上の行為、祝典、儀式または行事に参加する事を強制されない」と定めています。
 憲法の役割は、国家と国民、地方公共団体と地域住民との関係を規律することなので、住民同士の関係には直接には適用されませんが、ほとんどの自治会は市町村から経済的な補助を受ける下部組織として位置付けられますので、自治会役員がお尋ねのような要求をすることには問題があります。
 納得できない要求に応じる必要はありませんが、今後の近所付き合いに悪影響が出る恐れもありますので、十分な話し合いが望まれます。なお、相手が聞く耳を持たない場合には、市町村の担当部署に相談し、それでも解決が難しければ信教の自由という人権を侵害される恐れがあるとして、法務局や弁護士会の人権擁護委員会に相談してみることも一つの手段です。

 山根総合法務事務所
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